ご主人様…死んでください。

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美しい花… 美しい家具… 美しいご主人様達… 私がそんな屋敷のメイドになってから早くも1ヶ月が経過していた。 「奈琉――――!!!今日も一段と可愛いね―!」 広い屋敷にいつものように奴の声が響きわたった。 私に向かって突進する男を私は華麗によけて再び花瓶に花を生け始める。 男は腕を交差させながら壁へと激突した。 このドあほ…失礼、頭のイカレた男が私の4人のご主人様の1人。 名前は那執沖津(ナトリオキツ)。 名執財閥の跡取り息子であり、知能指数も高いらしいが、私にして見ればただの変態である。 「沖津…奈琉に迷惑をかけるのを止めなさい。」 このいかにもクールで眼鏡をかけた方も私のご主人様だ。 名前は蜜華玲司(ミツカレイジ)。 私の仕えるご主人様の中では一番まとものように思えるが…彼も彼なりに私にとっては面倒な存在だった。 多分端から見れば美男子…誰もが羨むだろう。 こんな主人に仕えることが出来るのなら… だが…私はそうではない。 こんな変態達に囲まれた生活にいつまで耐えなければならないのか… 神が存在すると言うなれば…今直ぐにでも私を解放していただきたいと願うだろう。
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