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レイヤーの入ったふわふわボブはとても彼女に似合う。
声もコロコロと鈴がなるようにかわいい。
別に私はレズビアンではないが彼女の可愛さにはいつも癒される。
初め私に近づく人間は私からご主人様達に取り入ろうとした程度の低い奴らだった。
だから弥生が私に近づいてきたのもそいつらと同じだと思った。
私はきっとその時弥生を沢山傷つけた。
でも弥生は…それでも私の側に歩みよってくれた。
単純に嬉しかったし…今となっては弥生が私のストッパーになっていた。
弥生に愚痴を聞いてもらっているから私は自分を抑えることができているのだ。
「弥生…ありがとう。」
私がそういうと彼女はキョトンとした顔をして何が?と言ってきた。
その何気ない優しさが私は好きだった。
その後私は弥生といつものように移動教室に向かった。
移動教室に行くときに通る渡り廊下の窓から橘様が登校するのが見えた。
しかし、私は私自身が遅刻しなければ橘様が遅刻しようがどうしようがどうでも良かった。
「ねぇー奈瑠ちゃん。あれ…名執先輩だよね?」
移動教室が終わって教室に戻ってきてお弁当を食べていると、教室の扉から名執様が顔をのぞかせていた。
私は平穏な時間が崩れ去ったことを悟って盛大に眉をひそめた。
「奈瑠―!ご飯食べようぜ!!」
いい加減にしろ…
私は口からこぼれだしそうな言葉をなんとか飲み込んで、クラスの女子から突き刺さるような視線を浴びながら扉へと歩んでいった。
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