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「名執様…名執様はご昼食はカフェでとっていられませんでしたか？すみませんが私はお昼はお弁当なのでお断りします。」
基本的にご主人様から言われたことは守るようにしているが私は今弥生と昼食をとっていた。
彼女を置いていくような真似はできない。
「そんなことか！なら気にするな！今日は俺も弁当にしたんだ！奈瑠と一緒に食べるために！」
止めどないな…このアホは…
どこまでも父や兄を彷彿とさせる。
「嬉しいお誘いなのですが、友人と昼食の約束をしていましたから。」
私が自分の席に戻ろうと振り向くととっさに腕をつかまれた。
「奈瑠…行っちゃうの？」
御堂様…いらしたんですか…
名執様の影に隠れて見えなかった。
「だったらその友人も一緒に行けばいいじゃないか！」
名執様にあいている手を掴まれた。
背中に汗がにじむ。
鳥肌がだった。
私は思わず弥生に返事も聞かずに了解してしまった。
「わ、わかりましたから！離してください。」
私は手を振り払った。
顔がカッと熱くなる。
まるで台所にゴキブリを見つけたような感覚だった。
私の話を聞いて名執様も御堂様も喜んでいたけど、私は心の中で弥生に謝った。
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