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「ごめんなさい…弥生。」
昼食は学園内にある広い庭でとることになった。
私は移動しながら小声で弥生に謝罪した。
「別に私は気にしてないよ―。」
弥生はなぜか嬉しそうだった。
やっぱり私は女として何かかけているのだろうか…
あの4人のご主人様達は顔良し、金あり、頭もいい…ただ性格に難ありではあるが全校の女子生徒が色めいた噂を口々にしているような人達だ。
そんな人達を前に1micrometerほどもなにも感じない私は…むしろ迷惑であると感じている私は…
やはり女として何かがかけているのだろう。
裏庭につくと、私は名執様は弁当と言うものを理解していなかったことに気づいた。
芝生の上には絨毯のような布がしかれていて机まで用意されていた。
側には数人のシェフらしき人々が料理を作っている。
「さぁ―奈瑠!早く席について食べよう。」
名執様は私の為に椅子を引いてくれたが私は呆気にとられて固まってしまった。
さすがの弥生も驚いている。
「ご飯まだ?」
御堂様はマイペースですでに席についてセットされていたホォークを握りしめていた。
「早く!」
名執様があまりに満面の笑みで微笑むので弥生は黙って席についた。
私は小さくため息をもらして席に座る。
だいたいこの人達はなんで私に構うのだろうか…
他にお金持ちで頭がよくて美人な女など山ほどいるだろうに…
何故にこんな貧乏で平凡な私になんかかまうのかが、不思議でたまらなかった。
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