疾走

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夕焼けが綺麗だな…… 別にロマンチストではないけど、夕焼けは大好きだ。 俺は篠崎亮太。 中学3年生、つまり受験生というやつだ。 引退した今でもよく陸上部の練習に顔を出している。 走ることが好きだし、この夕焼けも好きだ。 「こんなところに座ってると蝦にさされるよ」 「……水谷……」 振り返ると、同じく3年の水谷が立っていた。 「帰って勉強しなくて大丈夫?」 水谷が笑いながら俺の隣に座った。 「俺を誰だと思ってんだ。そう言うお前だって受験生だろ」 「まぁね」 .
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