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愛さんがゆっくり顔を上げた時…。
大きな瞳から、ポロポロと涙が、こぼれ落ちた…。
愛さんは、涙をふくことなく「会いたかった。」と呟くと、彼に抱きついた。
彼は、驚いた顔をして、私を見たが、
私は、頷いて彼の腕から離れた。
彼は、そっと愛さんを抱きしめると、「心配かけたな。もう、すっかり良くなったよ。」と話しかけていた。
愛さんは、泣きじゃくりながら、彼の言葉にうなづいていた。
泣き続けている愛さんを、抱きしめたまま、彼は愛さんが落ち着くのを待っていた。
凌「愛。俺は、大丈夫だよ。心配してくれて、ありがとう。」
凌「愛。」
凌「愛。可愛い顔が台無しになるって。」
凌「愛。」
凌「愛。」
何度も、彼女の名前を呼んでいた。
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