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『ムーンライト』に着いた時には、日付が変わっていた。 カラーン 彼がかつて、大翔と共に店を初めた時から、変わらない入り口の古い鐘の音と、マスターが笑顔で迎えた。 店内は、笑い声や話し声で賑わっていた。 マスター「龍也さんから、電話があってから、ずっと待ってました。オーナー、退院おめでとうございます。そして、彩さん、お疲れ様でした。」と笑った。 凌「本当に心配かけて、すまなかった。」 マスター「きっと、オーナーなら、大丈夫だと思ってたから、心配してません。」 その言葉に三人で笑った。 マスターに勧められるまま、カウンターに二人並んで座った。 マスター「やっぱり生ですよね?」と、私を見る。 私は、病気以来、ずっと、アルコールを口にしてなかった。 少しなら、大丈夫だと言う医師の言葉を思いだし、彼が一緒だと言う安心感もあり、「お願いします」と答えた。 マスター「オーナーは?」 凌「生でいいよ。」 マスター「じゃあ。俺も頂きます。」と笑いながらグラスを3つ用意した。
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