648人が本棚に入れています
本棚に追加
『ムーンライト』に着いた時には、日付が変わっていた。
カラーン
彼がかつて、大翔と共に店を初めた時から、変わらない入り口の古い鐘の音と、マスターが笑顔で迎えた。
店内は、笑い声や話し声で賑わっていた。
マスター「龍也さんから、電話があってから、ずっと待ってました。オーナー、退院おめでとうございます。そして、彩さん、お疲れ様でした。」と笑った。
凌「本当に心配かけて、すまなかった。」
マスター「きっと、オーナーなら、大丈夫だと思ってたから、心配してません。」
その言葉に三人で笑った。
マスターに勧められるまま、カウンターに二人並んで座った。
マスター「やっぱり生ですよね?」と、私を見る。
私は、病気以来、ずっと、アルコールを口にしてなかった。
少しなら、大丈夫だと言う医師の言葉を思いだし、彼が一緒だと言う安心感もあり、「お願いします」と答えた。
マスター「オーナーは?」
凌「生でいいよ。」
マスター「じゃあ。俺も頂きます。」と笑いながらグラスを3つ用意した。
最初のコメントを投稿しよう!