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「そっかあ、僕も好きなんだよね、蜜柑。けどたまに甘くない蜜柑もあるんだ。そうゆう蜜柑はね、皮を剥く前に潰すと甘くなるんだよ。」
屈託のない笑顔で僕にそう話す。だけど質問の答えになってない。この少年は失礼だけどもしかして脳に障害があるんじゃないだろうか?会話のキャッチボールが上手く出来ない少年に対してそんな印象を受けていると少年は僕の返事を待たずに話し始める。
「だからね。この蜜柑も甘くしてたんだ。蜜柑って触って柔らかい方が甘いでしょ?だけどこの蜜柑は固かったんだ。どうせ食べるなら甘い方が良いでしょ?だから僕頑張って潰したんだ。おじさん一緒に食べよう?お母さんが良く言ってたんだ。美味しいものは一人で食べるより二人で食べた方が美味しいって!」
僕から視線を離さず早口に話す少年はどこか異常だった。
そして持っていた鞄の中身もまた異常。
出て来たのは人間の頭部。
グシャグシャになった人間の頭部。
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