序章 羽ばたきの始まり

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祭の事を考えてるうちに私のお気に入りの場所に着いてしまった。 「やっぱり…綺麗…」 そこは村を一望出来る小高い丘だ。 そこは、まるで村を参考にした風景画をそのまま写したように美しかった。 「………」 私はこの風景を見ていつも考える事があった。 それはこの村が信仰してるXが無くならないのは何故かと。 あらゆる村人の想いが蓄積したXを無くすのは不可能だと私自身よく分かっている。 無くなってしまえば拠り所が消えてしまうからだ。 「…!」 思考を巡らしている私の前に蝶が現れていた。 その蝶は普通では無いとすぐ感じとった。 全てが真っ赤に染まった蝶なんて世界中探しても居る訳が無い。 たくさんの仲間を引き連れている紅い蝶はヒラヒラと私の手に止まって羽根を休めていた。
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