序章 羽ばたきの始まり

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「次は私達の番って訳?」 紅い蝶に言葉をかけるが当たり前のように返事は無い。 ただ、紅い羽根を上下に揺らし続けている。 「逢坂家は無くなるのね……」 星空を見上げて譫言のように私自身思っていた事を言葉にした。 腕を上げると紅い蝶は夜の闇へと消えて行った。 「帰らないと…お父様や結が心配するわね」 来た道を歩き出して私は帰るべき家へと向かった。 紅い蝶を見た双子が祭に参加するべき二人。 黒澤家のおじ様が言っていた言葉を思い出してしまった。 「まだ結は見てない…私だけよ!」 否定するように言葉を吐き出して足早に丘を去った。
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