序章 羽ばたきの始まり

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動である私と静である結とは対極になってしまう。 綴は普段、大人しく人前では喋らない。 でも、私にはその理由が分かる。 私と考える事が似すぎているから…。 「やはり、姉さんは死にたいの?」 「死は恐くないというのは嘘になるわ…でもね?こうして信じられている事でアレは止まらないのよ」 そんなこと、と結は言いかけるが私には止まらないという確信があった。 それは当然の事、村人全員が信じきってしまっているに他ならないからだ。 想いは蓄積し、良い流れと悪い流れに分かれる。 そこまで蓄積されたものがたった一人の力で覆せはしない。
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