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だから語り創る
「なぁ弟子よ、夢とはなんだ?」
「驚いた……まるで人間みたいな質問だ。夢とは眠っている時に知覚を持って、現実不可能もしくは非現実な仮想を体感する現象の意味」
「……まるで魔法使いのような返答をするのだな」
「貴女にだけは言われたくないよ。それに僕は現にしか生きられないから仕方がない」
「ではもう一度問う、人にとっての夢とはなんだ?」
「……夢とは将来においての希望、願望を叶えようとする行動の意味も併せて持つ」
「…………驚いた」
「そうだろうね」
「現実不可能な非現実仮想を夢と呼ぶのに、夢には現実における願望の実現へと向かう行動の意志を含める物なのか?」
「叶えようとしない夢はただの絵空事と呼ばれるべきだけど、少なからず人はただの願望の一つを夢と語る事がある」
「そうか、叶えようとしない夢は絵空事なのか。ではなぜそれを夢と呼ぶ?」
「その方が誰かに語る時、空想と語るよりは尊く儚いと思っていられるからじゃないかな。人の夢と書いて、儚いと読むくらいだから」
「わかった、わかりづらい、だから私が名を与えようと思う」
「では問おう、偉大な魔法使いよ。願望、希望、理想に向かう事を、なんと呼ぶ?」
「問いに答えよう、偉大な魔法使いの弟子よ。願望、希望、理想に向かう事を夢と呼ぼう」
「では問おう、偉大な魔法使いよ。向かわず、叶えず、語り見るに止まるうたかたの夢を――なんと呼ぶ?」
「問いに答えよう、偉大な魔法使いの弟子よ。向かわず、叶えず、語り見るに止まるうたかたの夢――」
「それは物語だ」
とある魔法使いの
とある弟子との会話
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