秘密。

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人よりも1時間早く登校する。 誰もいない教室。 窓際の1番後ろの席。 その席に座るのは、クラスの学級委員長であるあたし。杉浦結花。 高校1年の時に学年1位をキープし続けて来たあたしは、2年に進級して、成績だけで学級委員長に推薦された。 あたしは、特に目立つわけでも、モテるわけでもない。 友達はそれなりにいる。人に嫌われているわけでもない。 でも、グループにだけには入っていかない一匹狼。 自分の素をさらけ出すことはなく、ひたすら地味に生活していた。 真っ直ぐで長い髪を二つに縛り、黒い縁のメガネをかけているあたしは、どこから見ても真面目な学生だった。  
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