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時刻は7:05。
教室には、まだ誰も現れない。
それもその筈だ。
HRが始まるのは8:30。まだ1時間半ほどある。
「今日はちょっと早く来すぎたかなぁ…」
あたしは、母親と2人暮らしだった。
父親は、3年前に他界した。
病気だった。
父親の遺産があったから、生活には困っていない。
そのせいもあってか、このところ母親は家に帰って来なくなった。
母親は、18歳であたしを産んだ。
若いうちから主婦になった母親を敬って、少しでも自由な時間を与えたいと思ったあたしは、バイトをしながら勉強をして、学年1位をキープし続けて来た。
そんなあたしの気持ちを汲み取ってか、母親は自由に恋愛をしはじめた。
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