秘密。

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あたしが、毎日のように人より早く登校する理由は、『寂しさ』だった。 朝、家を出る時は誰もいない。 夕方、家に帰る時も誰もいない。 「行ってきます」って言って「行ってらっしゃい」って言ってくれる人も 「ただいま」って言って「おかえり」って言ってくれる人もいないから。 今までは、バイトをしてその寂しさを紛らわしていた。 バイト代は、いつも母親に渡していた。 母親は、「いつもありがとう」と言ってそのお金を受け取っていたけれど、半分はあたしにお小遣いとして渡していた。 しかし、バイトでは寂しさを紛らわすことが出来なくなったあたしは、母親に内緒でバイトを辞めていた。 そして… 寂しさを紛らわす『癒し』を求めた。 それは 誰にも言えない 『秘密の行為』  
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