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君は僕の太陽6
屋上を出て、誰もいない廊下を歩く。
一限目はまだ終わってないし、何処に行こうか。
『航なら裏庭だ』
苛々する。
航の事なら何でも知っている、そんな風に聞こえた。
「…チッ。……くそッ、」
奴の言う通りにするのは癪だが、俺は裏庭へ向かった。
外は暑かった。
陽射しが強く、ホントにこんな所にいるのか、と少し疑問に思ったが、取り敢えず俺は日光を避けるように渡り廊下を歩いた。
「………ん?」
裏庭は大小の木々で埋め尽くされているが、見覚えのない景色が見えた。
裏庭の奥。
そこは目を凝らしてやっと見つかるような、木々から少し離れた場所に一つの大きな木があった。
俺はそこへ足を運ぶ事にした。
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