君は僕の太陽1

2/5
前へ
/130ページ
次へ
「………ハァ、」 「おい亮介、どうした?」 「んーん。まだ部活やり始めたばっかだからさ、ちょっと筋肉痛かも」 「あー…。まぁ俺も最初そうだったからな、その内なくなるって!」 うんうん、と頷きながらニッと笑う航に釣られて俺も笑った。 真っ直ぐ俺に注がれるその茶色がかった目が三日月に細められ、弧を上げた時に真っ白い歯が覗く。 その瞬間がとても好きだった。 航は烏高の頭で教師にさえ恐れられているけど、本当の素顔を俺は知っている。 子供のように純粋で、懐に入れた奴なら温かく接してくれるのだ。 俺もその中の一人で、そして親友という位置につけている。 このポジションは俺だけ。 そして航も俺の事を信頼してくれているのもよくわかっていた。 今のような小さなため息も拾い上げて声を掛けてくれるから。 だから航の隣はずっと俺だと思っていたのに。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加