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「………ハァ、」
「おい亮介、どうした?」
「んーん。まだ部活やり始めたばっかだからさ、ちょっと筋肉痛かも」
「あー…。まぁ俺も最初そうだったからな、その内なくなるって!」
うんうん、と頷きながらニッと笑う航に釣られて俺も笑った。
真っ直ぐ俺に注がれるその茶色がかった目が三日月に細められ、弧を上げた時に真っ白い歯が覗く。
その瞬間がとても好きだった。
航は烏高の頭で教師にさえ恐れられているけど、本当の素顔を俺は知っている。
子供のように純粋で、懐に入れた奴なら温かく接してくれるのだ。
俺もその中の一人で、そして親友という位置につけている。
このポジションは俺だけ。
そして航も俺の事を信頼してくれているのもよくわかっていた。
今のような小さなため息も拾い上げて声を掛けてくれるから。
だから航の隣はずっと俺だと思っていたのに。
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