君は僕の太陽6

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さらさらと木々が揺れ、葉が重なりあう音が暑さを和らげる。 大きな木の下、航は腕を頭に敷いて気持ち良さそうに眠っていた。 ─うわ…これホントにヤバいって。 木漏れ日が射し込み、陶器のように透き通った肌。 メンチを切ってる時とは打って変わった、穏やかな顔。 茶色がかった瞳は閉じられていて、伏せられた睫毛は長い。 少し半開きの口、下唇がぷっくりとしていて。 首筋は汗で光っている。 「…っは、ぁ」 息をするのも忘れるくらい、航の寝顔は可愛くて艶っぽい。 俺は起こさないように、そっと髪に手を伸ばした。 ワックスで固められた髪。 前に髪の話で『自分の髪は柔らかくてなかなか立たないんだ』と言っていた。 休日に航の家にお邪魔した時、頭を撫でると柔らかかったのを思い出す。 頭から徐々に下りていき、汗で少し火照った額、目元、柔らかい頬っぺた、そして。 手は唇に到達する。 「…、………」 息を押し殺して親指で上唇をなぞる。 するりと滑って、ドキドキしながら指に少し力を加えると、ふに、と何とも言えない感触にクラリとした。 あまりの柔らかさに、なかなか指が離れない、いや、離したくない。 漸く離して、今度は半開きした下唇に手を滑らすと。 「………っん、」 指の感触に少しだけ意識が戻ったのか、下唇が動いて、指を上唇と挟んで。 ちゅ、と吸い付いた。 心臓が爆発した。 今にも胸から突き破って出そうなくらい心臓が音を立てて、騒ぎだす。 吸い付いたのは一瞬で、それから解放された親指を直ぐに引っ込める。 まだ残っている感触を消したくなくて、両手で握り締めた。
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