君は僕の太陽2

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その日の帰り道。 送ると言って聞かない航と一緒に帰っていた。 雑談してるのに、航を見る度にさっきの事が甦ってきて、いつの間にか俺は録な返事も返せなくなっていた。 「…介、亮介!」 「っ…、はっ。な、何?」 「…何じゃねぇよ。お前今日なんかずっと変だぞ。悩み事なら隠さず言えよ」 「や、ホント何もないし、ってちょ…っ、航!」 言い終わる前に航が俺の腕を掴んで来た道を引き返した。 抵抗を試みたが引き摺られるようにずんずんと歩かれて、抵抗を止めて仕方なく航に任せて歩き出した。 着いたのは海辺だった。 夜なのでそこは静かで人気もない。 航は砂浜まで俺を引っ張ると、そのままどかりと座り込んだ。 「…で?何があったんだよ。言っとくが『何でもない』とか『大丈夫』は無しな」 わざわざ静かで俺達以外いないところまで連れていくなんて、敵わないなって思う。 俺は口を開いた。 「………特別」 「………え?」 「特別、になりたいって思ったんだ。俺も」 お前の、とは言わないけど。 こんな気持ち知られちゃったら、それこそ俺壊れちゃうから。 航、お子ちゃまで鈍感だし。 きっとわからないだろう。 「学校で航が言ったじゃん。木山に特別って思われて嬉しいって。俺、そんな奴いねーし」 「俺は亮介も特別だぞ?」 「本当?」 「ったりめーだろ!俺達ダチだろ?!」 拳まで握って強く頷いてくれるのは嬉しい。 でも。 ─『亮介も』ってことは木山もって事でしょ? アイツだって航とツルんでいたのは俺より長いし、それは当然なのかもしんないけどさ。 「………じゃあさ、今だけ…」 俺は航の背後に回って両腕を伸ばし。 シャンプーの匂いのする髪に顔を埋めた。 「…このままで居させて」 「亮介…?」 すり、と鼻先を擦り付けると、航は何も言わずに俺に背中を預けて、目の前にある両腕を包み込むように触れた。 「………航………」 ─ごめんな。 俺、お前の一番の特別になりたいんだ。 俺はあの時からずっとお前だけだったからさ。 なぁ………航。 今だけは、 俺の事だけ考えてくれよな。
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