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こんな感情は知らなかったから、最初は全く分からなかった。 「こんばんは」 酔いつぶれた親友を連れて帰るため、バーに迎えに来た沙耶ちゃん。 「どうも」 トクントクンと鼓動を感じる。 体中に微熱が走る。 もちろん、沙耶ちゃんはそんな僕には目もくれず、なぜだかマネと言い合いを始めた。 その時のごく妻のような印象は、今でも強烈に脳に焼き付いている。 ありえないと思ってた。 誰かを好きになるのは、きっとその人のことをよく知ってからで……。 だから。 この感情に気づいたときには もう 手遅れだったんだ。  
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