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これまで特別なにを話したわけでもなかったし、緊張してもおかしくないはずなのに、この時は楽しくてずっと笑いっぱなしだった。
さり気なく毒舌な沙耶ちゃんはどこかチャミみたいで、それもまたツボで。
ユチョンのこととか、のんちゃんのこととか、他愛ない会話を延々とし続けた。
運ばれてきた食後のコーヒーを口に、やっと一息つく。
すると、彼女は突然こらえたように笑い出した。
「……え?な、なに?」
「だって……」
しばらくケラケラと笑い続ける沙耶ちゃん。
「ジェジュンくん、キレイな顔してんのに面白いんだもん。天然とか、よく言われるでしょ。黙ってればパーフェクトなのにね~」
「う……」
どう反応していいのかちょっと困った。
バカにされてる?
いや、違うな……。
沙耶ちゃんに、こんなに気を許してしまう理由が分かったような気がした。
彼女はすごく気さくで自然体で、僕をアーティストとしては捉えてない。
フツーの同年代の異性にするように、気を使わないでからかったり、同じ目線でいてくれる。
当たり前のことかもしれないけど、それが僕らにはなかなか難しかったりするから。
…―こんな人が彼女だなんて……マネ、うらやましいなぁ。
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