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太陽みたいに明るくてサバサバしてて。
優しさも思いやりにも欠けてなくて。
妙な色っぽさの中に可愛らしさもあって……。
訳もなく、僕は目の前の彼女から目が離せなくなった。
トクントクンと激しい動悸に襲われる。同時に、言いようのない苦しさがこみ上げる。
…―なんだろう。
なんなんだろう、これ。
まさか。
ううん、ありえない……。
自分の感情に気づきかけていたのに、僕は必死で否定した。そうでもしなければ落ち着いてなんかいられなくて。
でも、どうしても……。
つなぎ止めたくなった。
今思えばなんであんなことができたのか解らない。
別れ際、僕は沙耶ちゃんの携帯番号を聞き出した。
そして考える余地もなく驚くべき行動にでたんだ。
『今から行ってもいい?』
彼女が暮らすアパートに、深夜に突然押しかけるという……迷惑極まりない非道に。
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