episode①

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だけど、まだダメ……。 わざともどかしい手つきでゆっくり一枚ずつ服を脱がしていく。その都度、体のあちこちにキスを落とした。 「……んっ……はぁ……っ……」 余裕のなくなった声。 またしても嫉妬心が一気にわき上がる。 ねぇ……。 マネの前でもそんな声出すの? そんな顔して感じてるの? そのことを考えるだけで気が狂いそうになる。 沙耶ちゃんをめちゃくちゃにしたい。 こんなに愛してるのは僕だけだって思い知らせたい。 だからいつも徹底的に攻める。 「ねぇ、言って?どうしてほしいの?」 「……抱いて……ほしい……」 「誰に?」 「ジェジュンくんに……」 「僕に……?」 マネじゃなくて? 今、沙耶ちゃんが求めてるのは紛れもなく僕。 一時のことに過ぎないのは分かってる。朝が来れば、彼女はマネの元に戻ってしまう。 でも、やめられない。 心まで奪えないと知りながら、抱かずにはいられない。 …―とんでもない人だ。  
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