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だけど、まだダメ……。
わざともどかしい手つきでゆっくり一枚ずつ服を脱がしていく。その都度、体のあちこちにキスを落とした。
「……んっ……はぁ……っ……」
余裕のなくなった声。
またしても嫉妬心が一気にわき上がる。
ねぇ……。
マネの前でもそんな声出すの?
そんな顔して感じてるの?
そのことを考えるだけで気が狂いそうになる。
沙耶ちゃんをめちゃくちゃにしたい。
こんなに愛してるのは僕だけだって思い知らせたい。
だからいつも徹底的に攻める。
「ねぇ、言って?どうしてほしいの?」
「……抱いて……ほしい……」
「誰に?」
「ジェジュンくんに……」
「僕に……?」
マネじゃなくて?
今、沙耶ちゃんが求めてるのは紛れもなく僕。
一時のことに過ぎないのは分かってる。朝が来れば、彼女はマネの元に戻ってしまう。
でも、やめられない。
心まで奪えないと知りながら、抱かずにはいられない。
…―とんでもない人だ。
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