69人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
部屋から出た少年は、爪が手の平に食い込むほど強く拳を握った。
「……リン…」
ポツリと小さく呟いた少年は、やがて別の小さな部屋に入る。
そして、部屋の隅にある棚を開けて何かを探しはじめた。
やがて手にしたのは、小さな硝子の小瓶。
中には透明の液体が入っている。
少年はそれをポケットにしまい込み、部屋を出て行く。
「僕が、君を守る。
君に復讐なんて、絶対にさせるものか…っ!!」
――血で手を染めるのは、僕だけで十分だから…。
少年は、強い決意を固めた瞳で前を見据えた。
その視線の先に、何が映っているのか。
それは、少年しか知らない…。
最初のコメントを投稿しよう!