洋館へ

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部屋から出た少年は、爪が手の平に食い込むほど強く拳を握った。 「……リン…」 ポツリと小さく呟いた少年は、やがて別の小さな部屋に入る。 そして、部屋の隅にある棚を開けて何かを探しはじめた。 やがて手にしたのは、小さな硝子の小瓶。 中には透明の液体が入っている。 少年はそれをポケットにしまい込み、部屋を出て行く。 「僕が、君を守る。 君に復讐なんて、絶対にさせるものか…っ!!」 ――血で手を染めるのは、僕だけで十分だから…。 少年は、強い決意を固めた瞳で前を見据えた。 その視線の先に、何が映っているのか。 それは、少年しか知らない…。                
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