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リンはバルコニーから一望できる海をしばし眺め、横目でレンを見た。
自分そっくりな髪の色、瞳の色。
違うのは性別、身長、服装…そして彼が片腕というところだ。
「…僕はレン。君は?」
「……リン」
リンが名前を告げると、レンは一瞬目を見開き、すぐに何事も無かったかのように微笑んだ。
「そう。歳も同じくらいだろうしよろしくね」
そう言ってレンが差し出した手をリンはおずおずと握る。
レンはそれから一言二言言葉を交わすと、部屋に戻って行った。
リンはしばらくバルコニーに佇んで、レンと握手した自分の左手をじっと見つめていた。
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