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「――単刀直入にお尋ねします」
ワインのコルクを抜きながら、レンはカイトに視線を向ける。
「2年前、あの洋館に火をつけたのはあなたですよね?」
その言葉に、カイトの動きがぴたりと止まる。
バッとカイトがレンを見ると、レンは相変わらずカイトを見つめている。
問いかけでは無い。
それは、確信だった。
「あなたですよね。
そして、『あなた達』は助けも呼ばず、ただの目撃者として洋館が燃える様を眺めていた」
「……どうして…」
カイトが呆然と呟いた。
レンはそっと、昔右腕があった場所に触れる。
「…あれは、事故だったんだ…」
力なく椅子に座り、カイトは話しはじめた。
2年前罪の意識に苛まれ続けた、あの日の出来事を。
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