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あの日、カイトは高校時代からの悪友であるメイコとキヨテルと共に、洋館の裏で談笑していた。
「あ~あ、この屋敷では有名な音楽家やお金持ちが楽しんでるのよね」
メイコがお酒を片手に、羨むように洋館を見上げる。
「俺達には手が届かない奴らってことだな」
カイトとキヨテルの二人は煙草を吸いながらメイコの言葉に苦笑していた。
「このゴミ捨て場になんて、楽譜とかあるわよ。
見ても全然わからないけど」
メイコは、洋館の裏で積み上げられていた楽譜などの書類を見て顔をしかめた。
「いらなくなったか、作曲に失敗したんだろうな。
楽譜も高いだろうに…」
キヨテルは楽譜の一枚にサッと目を通して溜め息をついた。
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