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「あの火災で、死者が出たと聞いた時は心底恐ろしかったし、後ろめたかった。
でも、罪を打ち明ける勇気もなくて…」
うなだれるカイトの肩を、レンはそっと叩く。
「僕は、貴方の口から真実を聞きたかっただけなんです。
過去は過去。僕は貴方が罪を悔いていることが大切だと思います」
「レンくん…」
カイトは両目を潤ませ、レンを見る。
そして、決心した。
この洋館を出たら、自分はその足で警察に行こうと。
自分の罪を償うために――…。
カイトは、最後の楽しみにと赤ワインを口にした。
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