第1章 * 告白の罠

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――放課後。 昨日と同じ教室で、私は 初めて2日連続で呼ばれた。 告白は早くて一週間に 一度のペースだったのに。 …偶然だろうか。 「綾文(アヤフミ)さん。」 ――独特の低い声に 後ろから呼ばれ、振り向いた。 隣のクラスで人気のこの彼に、私は今日 呼ばれた。 その姿を確認し、 ゆっくりと席を立つ。 …また、告白なのかなぁ。 「初めまして。 その、この前見かけた時に、 一目惚れして…」 …やっぱり、告白か。 どれほど自分の容姿に 自信があるのだろうか。 それに、フラれて恥ずかしい から言えないのか、 私の告白についての 噂は流れないらしい。 自分から流すのは 気が引けるし、 相手の事を考えると 友達にすら言える訳ないし…。 でも噂さえ流れたら、 告白をされる事もないかも しれないのに。  
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