第1章 * 告白の罠

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「…だから、 付き合ってください。」 少し短い言葉で、 彼の告白は終わった。 そりゃ一目惚れなら、長々と 喋る事も出来ないよね。 その長さと想いは同じ、 …まず本気な訳がない。 「ごめんなさい。」 私はそう一言 告げて、 何もなかった様に教室を出た。 それはいつものパターン。 いつも通り、文也が玄関で 待っていてくれる。 ――そして早歩きで 玄関に向かった矢先。 文也は玄関じゃなく、 人ひとり通らない この静かな廊下に立っていた。 「…どうしたの?」 「世鈴を待っていたんだ。」 廊下で待っていたのは、 ただの気まぐれかな。 「そう、じゃあ行…」 「世鈴」 ――私は進めようとした足を 思わず止めた。 だってあの優しい文也が、 真剣な瞳でまっすぐ私を 見ていたから。  
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