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夕日が色を加える事もなく、ただ静かな放課後の教室。
窓際の自分の席に立って、目の前の男子の言葉が終わるのを待つ。
――そして、短く流れる沈黙。
返事に期待と自信を待つ
彼の目を見ながら、
私は口を開いた。
「ごめん。私、
その顔 無理だから。」
その言葉は空気を変えた。
目の前の彼は、
ただ目を丸くして、
ぽかんと口を開いている。
何度も見てきた表情だった。
きっと彼らは、
生まれて初めて自分の顔を
けなされたに違いない。
だから自信もあったし、
期待もしたんだろう。
放心状態の彼を置き去りに、
私は教室を出て玄関に向かう。
――急がないと。
待っている人がいるから。
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