第1章 * 告白の罠

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「…だけど告白してくるのは モテる顔の人ばかりだし・・」 「世鈴は昔からイケメンが 苦手だったよな。」 独り言のように呟く私に、 やっと文也が入ってくれた。 「ううん、苦手じゃなくて 嫌いなの。」 笑顔を向けながら言った私に、文也は苦笑する。 「・・・お父さんだって、 格好いい顔してたから あんなにモテてたし、 ・・・浮気したんだよ。」 「世鈴・・・」 文也は小さく私の名前を呼んで、再び沈黙した。 文也は知っている。 私が、イケメンくんを 嫌いな理由。 フォローしづらいだろうし、暗いからあまりしない話なんだけど。 つい、あのお父さんを恨む時間が欲しくなってしまう。 離婚して、母子家庭のうちは、結構 辛い思いしてんだから。  
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