172人が本棚に入れています
本棚に追加
* * * * * *
「じゃあ、また明日ね。」
――バイト先のコンビニの前で足を止めて、世鈴は俺に笑顔で手を振った。
「あぁ、バイト頑張れよ。
また明日。」
そう言って 手を振り返すと、世鈴は明るく頷いてコンビニの中へ入っていった。
世鈴とは幼なじみで
一緒にいる事が多いが、
そのせいで世鈴にとって俺は
ただの幼なじみのままだ。
…恋愛対象として
見られた事がない。
だから正直、焦っている。
高校に入って、イケメンが嫌いなくせに 綺麗な顔立ちをしている世鈴は、
周りから見ても
やっぱり可愛く人気があり、
学校一の "高嶺の花" として
有名になった。
自分の顔に自信がある男達は、世鈴の事をよく知らないくせに告白をして、
あっさりとフラれ続けている。
逆に、イケメンでもない普通の男達は高嶺の花に対して臆病で、
遠くから見ているのみ
だと聞いた。
・・・もし、そいつらが
勇気を持って告白をしたら。
彼氏が欲しい世鈴は、
その告白に頷くかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!