◆ ナミダ

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  自転車に乗った人も、犬を散歩させている人も、カラスの傍を通るのに、手を差し伸べることをしない。 確かに視線を遣ってることは、窓から見ても分かるのに、見て見ないフリで通り過ぎてく。 イジメられていた時のあたしと同じ。 ただ見てるだけで、誰も助けてくれない。 ─ やっぱり、行かなきゃ‥ 窓際から離れようと決心したけど、足は動かなくて‥ 泣きそうになりながら、カラスを見つめている時、彼が走って来た。  
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