287人が本棚に入れています
本棚に追加
─ お願い、助けて!
ココロの中で叫んだ。
その叫びが通じたのかどうかは、分からない。
走って来た彼は、カラスの傍で足を止めた。
思わず、窓を開けた。
彼の行動が気になって‥。
ひんやりとした、春浅い三月の空気が部屋に舞い込んで来た。
「お前、なんやねん!大丈夫か?」
大きな声で叫んで、彼は、カラスを押さえつけてるブロックを持ち上げた。
「飛べるか?それか、動物病院行くか?」
カラスに話し掛けてる彼の声が聴こえる。
その様子を、ずっと見ていた。
バタバタと羽を動かしたカラスは、フラフラとよろけながら、空に飛び立った。
最初のコメントを投稿しよう!