◆ ナミダ

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  ─ お願い、助けて! ココロの中で叫んだ。 その叫びが通じたのかどうかは、分からない。 走って来た彼は、カラスの傍で足を止めた。 思わず、窓を開けた。 彼の行動が気になって‥。 ひんやりとした、春浅い三月の空気が部屋に舞い込んで来た。 「お前、なんやねん!大丈夫か?」 大きな声で叫んで、彼は、カラスを押さえつけてるブロックを持ち上げた。 「飛べるか?それか、動物病院行くか?」 カラスに話し掛けてる彼の声が聴こえる。 その様子を、ずっと見ていた。 バタバタと羽を動かしたカラスは、フラフラとよろけながら、空に飛び立った。  
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