常識と非常識の世界

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日常なんて個人によって異なる。 住む世界によって異なる。 家に帰ってゲームをする者。友達と遊ぶ者。塾へ行く者。これから仕事へ出る者。 本当に様々だ。 特にこの日本で生活している連中はそうだろう。 平和ボケしてしまって世界のどこかでは戦争が起きている事なんて忘れてしまっている。 どろりとした平和を、ただ享受しているだけだ。 男にとっての日常は、そのような生易しいものでは無い。漫画やドラマ、アニメなどによくある非日常を生きている。 いや、本人にとっては生易しい日常であるのだが。 いらついた金持ちの家を襲って金を奪い、弱みを握り、そして誰かを殺す。 そうやって彼は今まで生き延びて来た。 年齢は数えて二十と五つ。 これも正確なものかもわかりはしない。 携帯なんて小洒落たものは持っていないし、ましてや服装に関してなんて疎いなんてもんでは無い。 動きやすくて目立たない服を着ている。 当然、ゲームセンターなんて場所には行った事もなく、普段やる事と言えば銃器の手入れや、刃物の類の手入れ。 そして手に入れたワンセグチューナーでテレビ番組を見る位だ。 後、他には雑誌を読んだりもするか。 ゲームはやってない。電気が無いから。 彼の住んでいる場所は誰も知らないような寂れた社。 当然、中はボロボロ。 とても人が住んでいるような外見をしていない。 住んでいるとしたら、魑魅魍魎の類だろうと、必ず人は思う。 まぁ実際、男は自分自身を魑魅魍魎の一種であると考えているが。 殺人鬼であるのだから、強ち間違いではないが。
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