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直也は考えていた。
何故こんなに普通なのかを…
松樹直也はどこにだっている普通の独身の営業マンだ。
だが彼は求めていた
どこか違う日常を。
普通に出勤し普通に営業をし普通に家に帰る、その繰り返しを彼は飽きていた
そんな繰り返しのある日。公園での昼休みの直也に起きた1つの『違い』。それは彼の高校時代の親友
橘 遼(たちばな りょう)に再開したのだ。
2人は地元の私立高校の野球部でそこそこ有名な二遊間だった。
今ではお互いがそれぞれの道を歩んでいた
「橘じゃないか!どうしたんだよ。確か、お前デザイナーをしてたんじゃなかったのか?なんでこんな田舎に?」
明るい口調で話かける直也とは逆に橘は重そうに口を開いた…。
「よぉ、松樹か。それがさ、実は俺デザイナーはハナから頭になかったんだ。本当は野球がしたくてさ…
デザイナーになったのも、プロ野球選手になりたいって夢を親が反対して無理矢理就かされたんだ。それで東京から逃げてきたんだ。」
橘は顔を下げたままそう答えた。
「だから俺こっちでまたお前と野球がやりたいんだ!無理なのはわかってるだけど少しでいい考えてくれないか?」
「橘… よし分かった。それならまず家に来ないか?腹も減ってるだろうしそれからだろ?」
直也は明るい笑顔で橘に答えた。
「すまないな…松樹…。」
………………………………………
次の日の朝。直也は物音で目が覚めた
「こんな時間から何の騒ぎだよ」
時計を見るとまだ朝の5時。 ベッドから降り、ベランダの窓を開けるとそこには汗を流しながら物干し竿を振る橘がいた。
「悪い、起こしてしまったみたいだな。バットがなくてな。悪いが貸してもらったよ。」と笑顔で言うものの、バットより長く重い物干し竿を降っていた橘は凄いと直也は関心していた。「いや、それは構わないが何故素振りを?」
朝から気になる質問をした直也。
「そりゃあ、昨日言ったろ?お前と野球をするためだな」と素直に答える橘。「それもそうだな。」と直也は納得してしまった。
驚きから始まる朝を向かえた直也はすぐに朝食を作り橘と供に自分の仕事場に向かった。
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