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和「ありがとうございます!」
立ち上がり、再び男を見るとつい魅入ってしまった。その完璧過ぎる端整な容姿に息を飲む。
シルバーアッシュの艶やかな髪に切れ長の目。
鼻筋が通り、薄い形の整った唇。小顔で細く線で書いたような輪郭。自分よりも高い身長。
自分も背は高い方だが、自分の頭が相手の肩までしかない。細身に見えるが広い胸に厚い胸板。
長い手足で、どこかの漫画の王子様(?)、いや、王様が飛び出してきたような人だ。
しかし、自分は急いでいる事を思い出し、慌てて相手に頭を下げる。
和「本当に申し訳ございませんでした!
何かありましたら、カウンターにおりますので声をお掛け下さい。失礼致します!」
早口で告げ、相手に話す隙も与えず、脱兎の如くその場を後にする。
和(うわぁ〰!!ヤバイ!!お客様にぶつかっちゃうし、太陽さん待たせてるよっ!!早く戻んないとカウンター混むなっ!)
振り返る事もせず、カウンター目指して再び走り出した。それを見送っていた男は不敵な笑みで、小さく呟いた。
???「カウンターね……。」
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