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今、あ、っつたよな。お前。
とてつもなくデカい人型のトカゲは、まだバレていないとでも言うように、壁に張り付いたまま動かない。
「いやいや、何なのお前。」
メタリックでサイバーな服を着ている金髪のトカゲ。
肌は爬虫類独特のツルッとしてザラッとしたような深い緑色。
「…はじめまして、宇宙から来ました。宇宙人です。」
なるほど、確かに宇宙人だ。
驚く程流暢な日本語を話す宇宙人ことトカゲは、気付かれているとわかるや否や、俺の前に正座した。
宇宙人は実在し、俺の前に姿を表した。
だが何だろう。このガッカリ感は。
コイツは美少女ではない。
確かに声は女の子の物だし、顔つきもよく見れば女っぽいのかもしれない。
だがコイツは美少女ではない。
大事な事なので二回言った。
トカゲは俺が何か言うのを待っているようだ。
一言だけ言うならば、勘弁してくれ。
第一話[宇宙人が来た]
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