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「なんふぁ?あしゃらふふぁないのふぁ?」
「…口にもの入れたまま喋んな」
ハムスターよろしく、口いっぱいに食べ物を詰め込んだままじゃ何言ってるのかさっぱりだ。
兄貴はコーヒーで口の中のものを流し込み、改めて口を開く。
「お前全然食べてないじゃないか。父さん達が死んでからずっとだぞ?ちゃんと喰わないと、お前まで倒れるだろ!お前まで倒れたら兄ちゃんは…うぶぅっ!」
何を想像したんだか、兄貴は突然涙を流し号泣しはじめた。
鼻水まで垂れ流してみっともない…。
無言でティッシュを渡すと、豪快に鼻をかむ。
「…まぁ、飯はちゃんと食うよ。それより俺、高校辞めるから」
「ズビッ…頼むぞ…………って?はぁぁぁぁ?」
俺の言葉に、兄貴は間抜けな声をあげ、間抜けな顔を俺に向けた。
かみきてれない鼻水が、兄貴の鼻からティッシュへと橋を作っていて汚いことこの上ない。
「ど、どどどどういう!?は?」
動揺しまくりな兄貴を尻目に、俺はコーヒーを口に含む。
口に広がる慣れない苦味に、思わず眉をしかめた。
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