12人が本棚に入れています
本棚に追加
「そのままの意味だよ。兄貴に養ってもらうつもりはねー。自分のことは自分でやるだけだ。だから、高校辞めて働く」
「暁っ!」
"バンッ!"と大きな音を立てて、兄貴がテーブルを叩きつけた。
その衝撃でテーブルの上にあったカップが倒れ、テーブルから床へと染みを作っていく。
「……。」
暫し無言で睨み合うが、先に目を反らしたのは兄貴の方だ。
「…帰ったら、ゆっくり話そう」
そのまま、振り返ることもなく兄貴は部屋を出て行った。
最後に「兄ちゃんは絶対認めないからな」と捨て台詞を残して。
残された俺は滴り落ちるコーヒーの雫を眺めて、深い深いため息をついた。
最初のコメントを投稿しよう!