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―――。
「っはぁ~…。」
今日何度目か分からないため息をついて、公園のベンチにズルズルと座りこむ。
俺の横には赤丸とバツがセットでついた求人誌が無造作に放られ、風に煽られているのが物悲しい。
仕事する。と、兄貴に啖呵切ったはいいが、世間の荒波ってのにぶち当たり連戦連敗だ。
朝から何件も電話をかけたり、求人元の会社に行ったりしたが、全てなしのつぶて。
…ここまで連敗すると本当に雇う気があるのかと、くだらない考えまで浮かんでくる。
まだ寒い風が容赦なく吹きすさび、俺はブルルっと身を縮こませた。
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