終わりと思ったら始まりで

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口々に俺を罵倒したり恐喝紛いのことを叫ぶコイツ等に、若干イラだちを感じ始める。 確かに最初に(不可抗力とはいえ)手を出したのは俺だが、ここまで言われる筋合いはねぇよな。 イラ立ちを押さえて、なるだけ冷静に口を開く。 「だから、悪かったって言ってるだろ」 「はぁ~?聞こえねーなぁ」 「つーかそれが謝ってる態度かよ。土下座しろ土下座!その後慰謝料500万なー」 聞こえねーのか、聞こえてるのかどっちだよ。 今日は色々あって特に虫の居所が悪い俺はあっと言う間に怒りゲージMAXだ。 チッと舌打ちして、一番因縁を付けてくる缶当たり男を睨みつける。 「あ゛ぁ!?んだよ、その目はよ。ガンとばしてんじゃねぇよ」 「そっちこそしつこいんだよ。謝ってるのに金払えとかバカかてめぇ」 俺の言葉に、その場の空気が一気に殺気で満たされた。 缶当たり男の目が血走り、俺を殴るための拳が繰り出される。 それを避ける為、足に力を入れて重心を下げ一歩前へと踏み出した。
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