終わりと思ったら始まりで

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「おまわりさーん!!こっちです!!未来ある若者が、殴り蹴りらじばんだりー!!」     突如、どこからか聞き覚えのある声が公園に響き渡る。 警察という言葉に、さっきまで殺気立っていた不良たちがたじろぎ、互いに顔を見合わせた。 「チッ!!命拾いしたなガキ。だが今度会ったらブチ殺すかなら!」 捨て台詞を残して、不良共は散り散りに消えていった。 しかし不良ってのは、いつの時代も捨て台詞を残していくよな。 もはや遺伝子に組み込まれてるんじゃないかって気にすらなってくる。 ため息をついて声のした方を見ると、そこにははよく知った顔が険しい顔でこちらに近づいて来るのが見える。 「・・・なんだよ兄貴。」 「なんだじゃないだろう!!」 普段、滅多に怒らない兄貴が大声で怒鳴ってきた。 一瞬怯むと、強い力で肩を掴まれる。 「お前、一体どういうつもりなんだ!?あんな不良連中に喧嘩売って、怪我したらどうするんだ!」 「あんな連中に怪我させられるほど、やわな鍛え方してねぇよ!」 「お前は喧嘩する為に鍛えてるのか!?違うだろ!自分の身を護れるようにだろ。だから父さんも母さんも、本当は反対してたのに許してたんじゃないか」 親父達の事を言われ、一瞬二人の顔が思い浮かんだ。 いつも俺が稽古で怪我する度に大騒ぎしてた、今はいない2人・・・。 ぐっと唇を噛み、兄貴の手を振り解き踵を返そうとするが今度は腕を掴まれる。 「離せよ!」 「まだ話は終わってない!!お前、今日色んな所で仕事させて欲しいって言ってたそうだな。商店街の人達が教えてくれたぞ」 「朝も言っただろ!俺は兄貴の世話になんかならない。自分の事は自分で出来る!俺の事は放っておけよ!いつまでも子供扱いしてんじゃ・・・」 "バチンッ!!" 乾いた音が響き、一瞬何が起きたのか分らなかったが、すぐに頬に痛みが走り叩かれた事を理解する。 すぐにかぁっと頭に血が上り、兄貴に掴みかかる。 「何すんだ・・・!!」 だが兄貴の顔を見て、次の言葉が出てこない。 兄貴の顔は先ほどとはうって変わり、今にも泣き出しそうな表情だった。
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