終わりと思ったら始まりで

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蹴り倒した兄貴は光の速さで復活した。 昨日と同じように、仏具で鼻をぶつけたのか赤い鼻をした顔をこちらに向けるが、昨日と違うのはその表情が怒りではなく叱られた子供の様にしょぼくれた表情だということだ。 「暁ぁ・・・」 ウルウルと目に涙を浮かべる兄貴は、とても20代半ばにゃ見えねーよ。 「っとに、ガキじゃねーんだから泣いてんじゃねーよ馬鹿兄貴!」 「だって・・・俺・・・暁のこと引っ叩いて…」 「だってもクソもあるか!第一あんな軽く撫でられただけで人が死ぬかよ!本当に大がつく馬鹿だな大馬鹿兄貴!!」 「ば、ばかばか言うなよぉ・・・・俺、本当に反省して…じんばぁいじでだんだよぉ~!!あ゛ぎら゛ぁ~叩いてごべんよぉ~!!兄ちゃんの事嫌いにならないでぐれ゛ぇ~!!」 おいおい泣いてすがり付く兄貴は本当に子供みたいだろ。 超が付くほどの大馬鹿野郎で、心配性で、阿呆で間抜けでトンマでガキで・・・。 だけど、無条件にここまで心配してくれるのはやっぱり家族だからなんだろうな。 よしよしと頭を撫でてやると、鼻をズビズビしながら兄貴が口を開いた。 つーか、鼻水つけるなよ・・・。
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