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「俺、俺さ。確かに馬鹿だし、兄貴らしいところあんまり無くて、暁からしてみれば頼りない兄貴だと思うんだがな」
「頼りないな。20過ぎでこんな大泣きしてる兄貴は。それに馬鹿だし」
「う゛・・・。ま、まぁそうなんだが。だけどな、俺暁の為ならなんでも出来るしするから!暁がやりたいことがあれば全力で応援する!むしろ命をかけられる!!」
「じゃあ俺が働くっての反対すんじゃねーよ」
「それは無理だ」
きっぱりと、そして被せ気味に反対されて思わずイラっとする。
さっきと言ってることが違うじゃねーかと、もう一度蹴り倒そうかと思ったが今度はまっすぐ俺の目を見て話始めた。
「暁が心底やりたいことがあって、その為に働きたいって言うなら俺は反対なんかしないぞ!だけど、今暁が働きたいっていうのはそういう事じゃないだろ!?」
「だから、何度も言ってるだろ。俺は兄貴の世話になんか・・・」
「それだよ!お前、俺に負担をかけたくないとかそういう事考えてるだろ?」
ドキっとした。
馬鹿のくせに、たまに確信をついた事言うんだよな。
「・・・俺は、兄貴にだけ働かせて自分だけのうのうと学生なんてやってられねぇよ。」
「なんでだ?」
「当たり前だろ!そんな、兄貴に迷惑をかけるような・・・兄貴の負担になるような事はしたくねぇんだよ!」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
俺の言葉に、兄貴の目が点になった。
何で点になっってるんだ?
目が点のまま首を傾げられ、つられて俺も首を傾げる。
「・・・さっき自分で言っておいてなんだが・・・何が負担で、迷惑になるんだ?」
「は?」
今度は俺の目が点になる番だ。
「いや、だって迷惑とか負担とか分からんのだが・・・一体何処がどうなって?」
「だから!兄貴にだけ働かせて俺が学生でいるのは」
「今までと何が違うんだ・・・?俺が働いてるのは前からだろ?そんで、暁はずっと学生じゃないか」
イライラを通り越して脱力感すら感じる。
こんな事まで説明せにゃコイツは理解できんのか!?
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