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「今までは親父達が養ってくれてただろ!?言い方悪いかもしんねーけど、それは普通だ。だけど、親父達は死んじまった。これからは俺と兄貴二人で暮らしていかなきゃいけねーだろ!?そんな中で、兄貴だけ仕事して俺だけ学生でのほほんとしてられっか!兄貴には兄貴の人生があんだから、俺の所為で色々我慢したりしんどい思いさせたくねーんだよ!」
「ん~・・・いまいちわからんのだが・・・」
こ・の・鳥頭野郎がぁ~!!!!!
沸々と怒りが沸いてきたところで、兄貴が俺の肩をポンっと叩いた。
「よくわからんが、一つ言えることがあるぞ!俺は迷惑だとも負担だとも思ってないしこれからもそんな事は思わないってことだ!」
「分かってないやつが何言って・・・」
「だって考えてもみろよ!俺は暁の事が大好きなんだぞ!好きで好きで好きすぎて結婚したい位好きだ!」
いや、兄妹で結婚とか気持ち悪いんだが・・・。
「これほど好きな相手の役に少しでも立てるんだぞ?それは嬉しい事であって、迷惑でも負担でもない!だから暁が働くのはおかしいんだ。だから今まで通りでいいじゃないか」
「よくねぇだろ!大体兄貴は・・・」
言いかけた所で今度は頭を撫でられる。
先ほどまでの泣き顔が嘘みたいに、慈愛に満ちたっていうのか?優しい笑顔を向けてきた。
「俺がしんどい思いしてると思うなら、いつも笑顔でいてくれよ。俺、暁が笑顔でいてくれるだけで幸せだしめっちゃ元気でる!それに、父さん達いつも言ってただろ?学生ってのは二度と訪れる事の無い、青春の場だって。俺は暁にちゃんと青春送ってもらいたいし、父さん達もそれを望んでると思うぞ。・・・だからな、暁。暁が俺の事思って働くって言ってくれたのは嬉しいが、そんな必要はないんだよ。むしろ俺の為に学生やっててくれ。」
頼むよ、と言って兄貴はニコっと笑った。
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