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ふっと目をさますと、辺り一面やわらかい光に包まれた空間にいた。
あぁ、夢か…。
何もない空間にふよふよと浮いている俺。
俺以外、誰も何もない世界が広がっていた。
「…変な夢だな。」
上下の感覚すらない、ただ浮かんでいるだけの夢なんて面白くもないだろう？
目を覚まそうと、自分自身に起きろ起きろーと念じてみるが、一向に目が覚めそうな気配はない。
「ったく、なんなんだよ…てか、俺なんでこんな夢なんて見てるんだ？」
そこで俺は、先ほどまでの兄貴とのやりとりを思い出す。
「あぁ…馬鹿兄貴の馬鹿でかい声と馬鹿力で気ぃ失ったのか」
起きたら一発蹴りあげておくか。
しかし、その前の体の変調は一体なんだったんだ？
首を傾げてたって、ここじゃ答えは出やしない。
さっさと起きたいが、どうやったら起きれるものか…。
浮かんだまま腕を組み、うーんと悩んでいると視界の端になにかが映った。
「なんだ？」
そちらに顔を向けると、その空間だけがなんだか歪んでいる。
目をこすって、もう一度そこを凝視すると歪みが段々と形を成していく。
足、手、顔。
ソレは人の形を成していき、徐々にはっきりと見えてくる全貌に、思わず目を見張った。
完全にその姿を現したソレの口が、ゆっくりと動く
「・・・・・は？」
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