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「…っんだそりゃぁ!!??」
「ぅおぅっ!!??」
叫ぶと同時に、いつもの見慣れた自分の部屋が目の前にあった。
横を見ると、驚きのポーズのまま固まる兄貴がいる。
「…よう」
「お、おぅ…。」
なんだか変な会話(?)だ。
「あ、暁大丈夫か?突然倒れたから心配したぞ!」
「倒れ・・・?」
聞き返そうとしたところで、体に力が入らなくなり前のめりに倒れそうになる。
すぐさま兄貴が支えて、俺をベッドへと横たわらせた。
「ああ!無理するなよ!?一晩外で寝てたから風邪引いたんだろうって医者が言ってたぞ」
風邪・・・・。
そういや、なんだか熱っぽいな。
だから調子が悪かったのか。
横になった俺の額に、絞ったタオルを乗せられる。
氷水に浸されたタオルの冷たさが心地よかった。
「しかし、ほんっとーに肝が冷えたぞ!突然倒れるわ、呼びかけても返事はないわで…お、お前までいなくなったら兄ちゃんは・・・・本当に、どうしようかと・・・」
「…泣くなよ。そんで、俺の布団を濡らすな。鼻水がつく」
今日だけで何度目だ?ぼたぼたと零れる涙が、俺の布団に染みを作っていく。
「暫くは絶対安静にしてろよ?ちゃんと寝てなきゃ、兄ちゃんこの部屋に鉄格子つけて、暁のこと監禁するぞ」
「…マジでやりそうだな」
「それはそうと、さっきは何叫んでたんだ?なんか怖い夢でも見たか?」
「夢・・・?」
そういや、さっきまでなんか夢を見てた気がするな。
最後はよく知った人が出てきたような・・・・。
思い出せん。
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