終わりと思ったら始まりで

37/45
前へ
/45ページ
次へ
「何か欲しいものや、して欲しいことないか?兄ちゃんなんでもやるぞ!」 「この部屋から出てってくれ」 「拒否します」 なんでだよ!! 「…なんでもするって言ったじゃねぇか」 「だって俺が離れた瞬間に暁の容態が急変したら大変だろう!?」 この過保護っぷりにはホトホト呆れ果てる。 こちとら蝶よ花よなお嬢様じゃないんだぜ? はぁっとため息をついて、兄貴に向き直る。 「…とりあえず、俺寝るからなんか飲み物でも買ってきてくれよ。」 「おう!兄ちゃんに任せとけ!!」 そういって兄貴は、自分の携帯を取り出すと何やら操作して俺の枕元に置いた。 「通話中にしておいたから、何かあったら叫ぶんだぞ!声がでなかったら、ここにベル置いてあるからこれを鳴らせ!動けなくなったら、念波送れ!すぐに戻ってくるからな!」 じゃっ!と言って、風のように兄貴は外へと飛び出していった。 しかしだ 「…兄貴、自分の携帯ここに置いて行ってどうすんだよ。」 そう。兄貴は自分の携帯を置いて飛び出していきやがったんだ。 通話中になっているといっていたが、携帯からはツーッツーッという音が流れている。 「しかも最後の念波って、携帯いらないよな…」 本当にアホとしかいいようがない。 しかし、これで邪魔者はいなくなった。 ゆっくり眠れると、布団にもぐりこんで目を閉じるとすぐに睡魔が襲ってくる。 今度こそ、ゆっくり眠ろう…。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加