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「何か欲しいものや、して欲しいことないか?兄ちゃんなんでもやるぞ!」
「この部屋から出てってくれ」
「拒否します」
なんでだよ!!
「…なんでもするって言ったじゃねぇか」
「だって俺が離れた瞬間に暁の容態が急変したら大変だろう!?」
この過保護っぷりにはホトホト呆れ果てる。
こちとら蝶よ花よなお嬢様じゃないんだぜ?
はぁっとため息をついて、兄貴に向き直る。
「…とりあえず、俺寝るからなんか飲み物でも買ってきてくれよ。」
「おう!兄ちゃんに任せとけ!!」
そういって兄貴は、自分の携帯を取り出すと何やら操作して俺の枕元に置いた。
「通話中にしておいたから、何かあったら叫ぶんだぞ!声がでなかったら、ここにベル置いてあるからこれを鳴らせ!動けなくなったら、念波送れ!すぐに戻ってくるからな!」
じゃっ!と言って、風のように兄貴は外へと飛び出していった。
しかしだ
「…兄貴、自分の携帯ここに置いて行ってどうすんだよ。」
そう。兄貴は自分の携帯を置いて飛び出していきやがったんだ。
通話中になっているといっていたが、携帯からはツーッツーッという音が流れている。
「しかも最後の念波って、携帯いらないよな…」
本当にアホとしかいいようがない。
しかし、これで邪魔者はいなくなった。
ゆっくり眠れると、布団にもぐりこんで目を閉じるとすぐに睡魔が襲ってくる。
今度こそ、ゆっくり眠ろう…。
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